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『賃労働と資本』 カール・マルクス著 村田陽一訳 国民文庫=22 大月書店 77ページ解説
マルクス主義経済学を学ぼうとする場合、ほとんどが必ずと言っていいほど、まず最初、『賃労働と資本』や『賃金、価格、利潤』(本文庫既刊)を入れるのが普通である。これは、日本でも諸外国でも、そうである。このように『賃労働と資本』は、 マルクス主義理論を学ぶものの必読の文献となっている。
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我々の生活はもとより、政治を始め社会全体の動きが、経済の問題と深くつながっていることは、誰も感じている。経済臍雪でしかも根本的な問題はないであろう。ところがまたその経済の問題ほど、一般につかみにくく、分かりにくいものもないのではないか。資本主義の経済は、単なる常識や外見だけの観察でわからない秘密のカラクリを土台にしている。だから資本主義経済の本当の姿、意味、働きをつかむためには、どうしても我々は科学の力によって、この秘密のカラクリを見破らなければならない。それによって初めて、われわれは社会全体の大きの方向を見とおすことができるようになるし、またしたがって、その中で我々が生活し行動したらいいかもはっきりしている。そういう意味で、科学的な経済学についての大筋だけでも学んでおくことは、現在に生きる人々、特に働く人々にとって絶対的に書くことができないと言っていい。
マルクス経済学は、まさにこの資本主義経済の秘密のカラクリを始めて赤裸々にえぐり出し、働く者の行動に科学的な指針を与え、その未来を赤々と照らししだした。資本主義経済のカラクリは、資本家と労働者の関係を正しく理解することにある。実際に富野生産に携わっている労働者が貧しいのに、労働をしない資本家が利潤(これを正確に科学的な言葉で「剰余価値」と呼ぶ)をあげて富んでいるのはなぜなのか。 つまり労働者はどのようにして資本家に搾取されているのか、理論的につかむことにある。この理論が、「剰余価値の法則」と呼ばれるものであって、マルクス経済学全体の土台石であり、核心であるマルクスは『資本論』の中で、この法則を詳しく説明するとともに、それを鍵とし、それを発展させて、資本主義社会全体の経済的運動法則、資本主義社会の発生と発展と消滅の法則を明らかにした。そしてこれによって、資本主義社会の中に行ける労働者の地位と運命と進むべき道を 指し示して、社会主義の必然性を科学的に論証した。
けれども、『資本論』は全3巻、数千ページに及ぶ大著であり、それを読み通し、十分に理解することは決して易しいことではない。どうしても手引きとなる入門書が必要であることに毎日の労働と生活に追われている労働者には『資本論』紐解くことは極めて難しいであろう。この意味で、その簡潔な解説書が必要である。そして、こうした入門書、解説書としてもとも性格で適切なものといえば、言うまでもなくマルクス自身が書いたものであろう。 『賃労働と資本』は、まさにそれなのである。
『賃労働と資本』はわずか数十ページのパンフレットであるが、その中には、前述のマルクス経済学の核心、『資本論』の中心理論、理論的土台である「剰余価値の法則」が、生き生きと簡潔に述べられている。
この本のはじめでマルクスは入っている「我々は、労働者に分かってもらいたいのである」と。そし て『経済学のごく初歩的な概念さえ持たない」読者のために、「できるだけ簡単に、わかりやすく述べる」と言っている。確かに、どんな読書に慣れた人でも、この本によってマルクス経済学の中心理論を理解できるはずである。またすでに多少ともマルクス理論を知っている読者の場合にも、この本によって自分の知識を生き生きとしたものにし、一層確実なものに高めることができるであろう。
(『賃労働と資本 カール・マルクス 村田陽一訳 国民文庫=22 大月書店 解説77から79ページ 13行目まで引用です)
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