第6回「賃労働と資本」の学習 カールマルクス著 村田陽一訳 国民文庫 大月書店
解説 84ページから86ページまで
価値の源泉を平易に説いたものである。本節ではさらに、四四ー六ページに、生産力と生産関係についての古典的な説明があり、また最後の五一―二ページでは、資本家と労働者との利害の同一という、御用学者の俗論が批判されている。
「資本家あっての労働者」、「会社あっての組合」というこうした俗論は、いまでもわれわれのまわりに流布されていることに注意したい。
第四節では、すすんで資本家と労働者との利害がまっこうから対立することを論証している。
これは前節の剰余価値法則から出てくるもっとも重要な結論である。
ここでマルクスは、名目賃金と実質賃金の区別をあきらかにし、さらに資本主義が発展するにつれて労働者階級の資本家階級にたいする相対的地位がしだいに悪化することをしめしている。
これは、いわゆる労働者階級の相対的貧困化の法則である。五三ページにある小さい家と邸宅の例も、よく引用される部分である。
第五節では、資本主義の発展、すなわち資本の蓄積が賃金水準におよぼす作用を分析している。
すでに前節で、資本蓄積の増大は労働者にとっては相対賃金の低下(相対的貧困化)と資本の支配の増大であることがあきらかにされた。ここではさらにその説明が発展させられる。
すなわち、資本蓄積が増大すれば、分業と機械の使用がひろがり、それがまた労働者のあいだの競争をはげしくして、彼らの賃金をますます切りさげ、また他方、大量の労働者から職をうばって産業予備軍(失業者群)をつくりだす反面、婦人や子どもを家庭から工場にひきずりだす。
さらに血で血をあらう資本間の競争は、たえず弱小の企業家たちを没落させて、労働者軍を拡大し、こうして社会全体を少数の大資本家と多数のプロレタリアートに二分してゆく。
以上が、マルクスのしめす賃金運動の法則、労働者階級の絶対的貧困化の法則、資本主義下の労働者階級の運命である。
ますます頻繁に、ますますはげしくなる恐慌はこの過程をはやめ、破局を近づける。『資本論』第一巻第三篇第八章、第四篇、さらにとくに第七篇第二三章の「資本主義的蓄積の一般法則」は、以上の点をくわしく述べたものといってよい。
「貨労働と資本』は、ここでおわっている。この本のはじめのところ(二六ページ)では、マ
ルクスは三つの項目をあげてこの本のプランとしているが、実際に書かれたのは、そのうち第一の項目だけで、第二、第三は書かれずにおわった。
この事情はエンゲルスの序文の冒頭にくわしい。マルクスが第二、第三でなにを書くつもりであったかは、いろいろな推測はできるけれども、はっきりしない。
ただ、このように『賃労働と資本』ははじめのプランからすれば未完におわってはいるが、しかし現在のままの形でも、経済学のもっとも基本的な原理は十分に説明されており、これだけで独立のパンフレットとしてまとまっていると言ってよい。
『賃労働と資本』を読んだ人は、それをさらに発展させる意味で、できるだけすすんでつぎの諸文献を併読していただきたい。 (1) マルクス = エンゲルス『共産党宣言』、(二) マルクス『賃金、価格、利潤』(三) エンゲルス『空想から科学へ』、(四) エンゲルス『資本論綱要』。
さらに進んだ読者は(五)マルクス「経済学批判(以上はすべて本文庫に入っている)。
(六)須藤明科学院経済研究所「経済学批判」(新日本出版社)第2版を読まれるとよく。もっと進んでは(七)マルクス資本論(国民文庫)お取り組んで欲しいと思う。
1956年4月国民文庫編集委員会
解説はここまでとなります。
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